【うつ病体験記⑦】カウンセリングで自分を変えるために大切なこと

うつ病体験記

シリーズで掲載している「うつ病体験記」。

第7回となる今回は、前回の記事に引き続きカウンセリングに関する内容をお届けいたします。

カウンセリングは、受けたからといって必ずしも効果が出るとは限りません。

私自身は2箇所でカウンセリングを受けた経験がありますが、最初に通っていたカウンセリングでは自分の心の癖を書き換えられるほどの大きな気づきが得られなかったのが正直なところです。

では、なぜカウンセリングによる効果に差が出るのでしょうか?

もちろんカウンセラーとの相性も大きな要因となりますが、私が過去の経験を通して感じたカウンセリングを通して大きく変わることのできた要因・重要なことについて 「カウンセリングで自分を変えるために大切なこと」というタイトルで書いていこうと思います。

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カウンセラーとの相性は大切?

これからカウンセリングを受けてみようかなと思っている人にとって、不安に感じることの一つに担当してくれるカウンセラーがどんな人なのかということではないでしょうか?

中にはカウンセラーを選ぶことのできる場所もありますが、それでも実際に会ってカウンセリングを受けてみるまでは、カウンセラーがどんな人かは分かりません。

何でも話して大丈夫なのか?
信頼しても大丈夫なのか?
本当に悩みを解決してくれるのか?

いろいろな不安の感情を抱いてしまうと思います。

しかしカウンセラーがどんな人なのか、カウンセラーとの相性などは実際にカウンセリングを受けてみないことには分かりません。

ただ、私の場合は「カウンセラーがどんな人なのか」ということよりも自分の悩みでいっぱいいっぱいだったので、正直そこまで思考が回りませんでした。

その当時は本当に藁にもすがる思いでした。

では、カウンセリングにおいてカウンセラーとの相性は大切なのか?

相性は大切だと思います。

カウンセラーも所詮は人間です。
性格や考え方、カウンセラーを目指した経緯、心理学やカウンセリング技術を学んできた環境もそれぞれ異なります。

カウンセラーによってカウンセリングの進め方や、カウンセリングの中で使う技法なども全く異なってきます。
対話中心で進める方もいれば、場合によって様々な心理療法を使用してカウンセリングを行うカウンセラーもいます。

だから、必ず合う合わないは出てくると思います。

カウンセリングは一度受け始めたら最後まで通い続けなければならないというルールはありません。
「何か違うな…」と思ったら、基本的にクライアント(相談者)が申し出ればそこでカウンセリングは終了できるようになっています。

なので、カウンセリングを検討している方は自分の通いやすい場所や紹介してもらった場所などに、とりあえず問い合わせしてみるのをおすすめします。

ただ、注意してもらいたいのは、深刻な理由がないのにも関わらず1回や2回カウンセリングを受けて次から次へとカウンセラーを変えてしまうことです。

1、2回でカウンセラーとの相性なんて分かりませんし、カウンセラー側からしても1、2回で相談者の全てを理解・把握することは非常に難しいことです。

なかなかすぐにカウンセラーを信頼することは難しいことだと思います。

私が思う本当にいいカウンセラーとは、あなたに一生懸命になってくれるかどうかだと思います。

あなたが必要としていることを、あなたの立場に立って、全力で理解してくれるかどうかです。

「そんなのカウンセラーだったら当たり前なこと」と思われるかもしれませんが、この当たり前のことを当たり前にやるのが意外と難しいのです。

中には、自分の意見を押し付けようとするカウンセラーもいるでしょう。
アドバイスや答えを与えることは簡単なことです。
しかし、それは相談者のためにはなりません。

どんなにたくさん勉強してきていても、どんなにすごい資格を持っていようと、相談者の心を汲み取れないカウンセラーはいいカウンセラーとは言えません。

あなたの悩みに一生懸命耳を傾けて、一緒に解決の糸口を見つけてくれるカウンセラーに出会えることを祈っています。

大切なのは”自分で見つけた答え”

ここまでカウンセラーとの相性について書いてきましたが、いいカウンセラーに巡り合えたとしても「私の悩みはカウンセラーが何とかしてくれる」 というような考え方を持つことは非常に危険なことです。

もちろん、カウンセリングを始めるきっかけとしてカウンセラーの力を頼ることは構いません。

しかし、カウンセリングを受けていく中で「カウンセラーが何とかしてくれる」という考えをどこかで変えていかない限り、カウンセリングで自分自身を変えることはできないと思います。

私のカウンセリング経験を書いていこうと思います。

私が初めてカウンセリングを受けたのは通院していた心療内科でした。
カウンセリングを受けようと思って通院していたわけではありませんが、主治医の先生から勧められて何となく受け始めたという感じでした。

しかし、心療内科で受けたカウンセリングによって自分自身の心が大きく変わったかというと、正直そこまで大きな変化はありませんでした。

その後、心療内科でのカウンセリングは終了となってしまったのですが、なかなか変わらない現状をどうにかしたいという思いもあり、今度は民間のカウンセリング機関でカウンセリングを受けることになりました。

カウンセリングできる場所自体は母親が探してくれたのですが、今度のカウンセリングは自分自身で行ってみようという気持ちになって通うことになりました。

そこでのカウンセリングでは大きな気づきを得られ、自分が変わるきっかけとなりました。
大きな転機となったのです。

では1回目と2回目のカウンセリングで一体何が違ったのか?

今改めて振り返ってみて、大きく2つの要因が考えられました。

もちろん担当のカウンセラーやカウンセリングの進め方というものは違いますが、まず1つ目に考えられるのは自分のカウンセリングに対する姿勢です。

今思えばですが、1回目と2回目のカウンセリングに対する姿勢は全く違ったなと振り返ります。

1回目は通院目的で通っていた心療内科の主治医の先生から勧められて何となく始めたカウンセリング。
2回目は今の現状をどうにかしたいという気持ちが芽生えて、自分から受けてみようと思って始めたカウンセリング。

こう考えると、やはり「自分で良くなりたい」「自分で変わりたい」という気持ちがあるかないかでカウンセリングの効果は変わってくるものなのかもしれません。

こういう姿勢は何もカウンセリングだけでなく、勉強やスポーツにも言えることです。

やらされている勉強か?自ら進んでやる勉強か?
やらされている練習か?自ら進んでやる練習か?

おそらくその勉強や練習の効果も全然違ってくると思います。

なかなかうつ病の初期の状態だとこのような「自分で!」とういう気持ちになることは非常に難しいことです。
もちろん、無理やりそう思うようにする必要はありません。
逆に自分の心に負担をかけてしまうことになります。

しかし、うつ病の経過とともに必ず「今の現状をどうにかしなきゃ」「自分を変えたい」「また元気になりたい」という気持ちが少し湧いてくるタイミングがあります。

そういった気持ちが芽生えてきたタイミングこそが次のステップに進む段階なのではないかと私は思います。

自分でカウンセリング機関を探すのが難しければ、勇気をもって家族や身近な人に頼ってみて下さい。
そして家族など周囲の人間は本人のそういうちょっとした変化を見逃さずに、ぜひ力になってあげて下さい。

そして2つ目はカウンセリングを通して自分で自分の心の問題に気づけるかどうかです。
つまり「自分で見つけた答え」というものが非常に重要となると考えます。

「与えられた答え」と「自分で見つけた答え」では気づきは全然違います。

例えば、学校の勉強なんかもそうです。
数学の問題において、

・先生から教えられた答え
・試行錯誤を繰り返しながら様々な公式を用いて自分で答えにたどり着いた答え

どちらがより自分の記憶に残り続けるかと言ったら、間違いなく後者の自分でたどり着いた答えですよね。

それと同様にカウンセリングでも「自分で見つけた答え」というものは自分の心に刻まれて、強く意識できるようになります。

カウンセラーからいくら「あなたの〇〇なところが問題ですね。そこを少しずつ直していきましょう。」と言われても、意識できるのは一時的だと思います。

むしろ、そのようにすぐに答えを与えてしまうカウンセラーは、相談者の気づきの機会を奪ってしまうという点で、良いカウンセラーと言えないと思います。

私の場合、1回目のカウンセリングは対話のみでのカウンセリング、2回目のカウンセリングでは対話に加えて様々な心理療法を用いてカウンセリングをしました。

また、2回目のカウンセリングの中で大きな気づきを得ることになった一つとして絵画療法(バウムテスト)がありました。

バウムテストとは、「一本の木」を描くことによって、その人の心の内面を判断することを目標に作られた検査です。

自由に書いてもらった「一本の木」の根、幹、枝、葉などから、その人の持つものの考え方、思考のくせ、言葉で表現しにくい内面の気持ち、深層心理などを知るために役立てます。

私はこの検査から自分自身では気づいていなかった「完璧主義」「承認欲求」という内面(私がうつ病となった要因)が如実に自分の描いた木の絵に現れていました。

なかなか自分の内面が形に現れることはありません。

例えば、自分で気づいていなかった一面を「あなたって〇〇なところがあるよね」みたいに他人から指摘されたことがある人もいるかもしれません。

しかし、その意見を素直に受け入れられる人は少ないと思います。

しかし、バウムテストではそれが形として目の前に出てしまうのです。
それも自分で描いた絵なので言い逃れもできません。

カウンセラーとしては対話だけで相談者の内面・性格・感情を把握しにくい状況の場合に良く用いられますが、相談者側からしても自分の内面を絵を通して客観的に見ることができるのは非常に大きな気づきに繋がります。

私も無意識に描いた絵に、自分で思い当たるような内面が数多く投影されているという事実はかなり衝撃でした。

もちろん自分一人で一から答え(自分の知らなかった内面)にたどり着けたわけではありませんが、担当のカウンセラーが私が自分で気づけるように様々な心理療法を用いて誘導してくれたことがとても大きかったと思います。

このように、私がカウンセリングで大きな気づきを得た一例としてバウムテストの体験を取り上げましたが、もちろん対話中心だけのカウンセリングが悪いとは思いません。

2回目のカウンセリングでは対話の中でも、1回目と比較して自分で考える機会が多かったような記憶があります。
担当のカウンセラーができる限り自分で考えて、自分で答えにたどり着けるように質問や投げかけをしてくれていたおかげだと思います。

ただ、絵画療法をはじめとする様々な心理検査・心理療法を用いて自分の内面を客観的に見つめることは大きな気づきを得る上でかなり重要なことだと自分の体験から感じました。

「私の悩みはカウンセラーが何とかしてくれる」 というようにカウンセラーに依存していては自分で答えを見つけ出すことはできません。

カウンセラーはあなたの問題をスッと解決してくれる救世主ではありません。

あくまで相談者と一緒に悩みを解決する糸口を一緒に探していくサポートをする存在です。

心理学やカウンセリング技術を学んできたカウンセラーの立場からすれば、対話を重ねていく中でクライアント自身の心にどんな問題があるのかは把握できます。

しかし、「あなたのこういうところが問題です。この部分を直していきましょう」と答えを言ったところで、クライアント自身には大きく響きません。

もちろん、その時の状況によってはアドバイスをすることもありますが、自分で見つける答えだからこそ本当に意味があるのです。

自分で見つける答えだからこそ受け止められるのです。向き合えるのです。

自分を変えていくためには、まず自分の問題を受け入れて認めることです。

どうしても自分の嫌いな部分、目を背けたい部分を受け入れること、認めることは難しいことです。非常に辛いことです。

しかし、それ乗り越えることができれば、必ず変わり始めます。

ぜひ、これからカウンセリングを受けてみようと思っている方、カウンセリングを受けているけどなかなか状況が変わらないという方に意識していただけたらと思います。


このうつ病体験記も次回で最終回。

私自身うつ病になり引きこもっていた時期は非常に苦しい毎日でした。
しかし、今現在こうしてうつ病を克服できたことによって、うつ病になったことが自分を変えるきっかけとなったと思えるようになりました。

次回は「うつ病は新しい自分に生まれ変わるチャンス」というタイトルで、今うつ病など心の病気で苦しんでいる方々、そしてその家族など身近な方々へのメッセージを送りたいと思います。

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