【うつ病体験記⑥】カウンセリングでうつ病は克服できるの?

うつ病体験記

シリーズで掲載している「うつ病体験記」。

第6回となる今回は、私自身がうつ病を克服する過程の中で大きな役割を果たした「カウンセリング」に関する内容をお届けいたします。

カウンセリングを受けた経験のない人にとっては、「カウンセラーと話しただけで何が変わるの?」と思う方もいるかもしれません。

実際に私もカウンセリングを受けてみるまでは同じような意見を持っていました。

ですので、今回はカウンセリングを受ける意味やカウンセリングを通して自分の中で何がどう変わっていったのか?ということについて書いていこうと思います。

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カウンセリングを受ける目的・意味

まずカウンセリングとは、 クライアント(依頼者・相談者)の抱える問題・悩みなどに対し、専門的な知識や技術を用いて行われる相談援助のことです。

もともと英語で”counseling”は「相談・助言」という意味を持っており、カウンセリングは日本語で「心理相談」とも呼ばれます。

カウンセリングといっても家族相談や子育て相談といった様々な種類がありますが、主にカウンセリングを受けられる場所としては、

・医療機関(精神科、心療内科など)
・公共機関( 保健所、精神福祉センターなど )
・民間のカウンセリング機関(個人カウンセリングも含む)

などが挙げられます。

私は最初、心療内科でカウンセリングを受けていましたが、その後、民間のカウンセリング機関でカウンセリングを受けるようになりました。

では、カウンセリングを受ける意味とは何でしょうか?

私が実際にカウンセリングを受けていた経験からお話ししていきたいと思います。

うつ病は良くなっても再発する可能性が大いにある病気です。

カウンセリングでは、今現在苦しんでいる目の前の悩みを解消させていくことが大きな目的となりますが、将来的にうつ病の再発を防ぐ意味でも大きな役割を果たします。

自分で自分の心の癖を書き換えていくことによって、今後同じような悩みや状況に遭遇した時に自分の力で乗り越えていけるようになるのです。

また、同じような辛い状況に遭遇してもうつ病になる人とならない人がいます。
うつ病になる人とならない人では一体何が違うのでしょうか?

例えば、仕事で失敗をしてしまい職場の上司からこっぴどく怒られてしまったという状況。

Aさんは落ち込みましたが、すぐに「絶対にあの上司を見返してやる!この失敗した経験を絶対に次に活かしてやる!」とすぐに前を向きました。

Bさんは「怒られてしまった…。こんな仕事も上手くできないなんて自分はダメだなぁ…」といつまでも自分を責め続けています。

AさんとBさんではどちらがうつ病になりやすいかと言われたら、誰もがBさんと答えるはずでしょう。

AさんとBさんでは起きた出来事に対する心の捉え方が違うのです。

Aさんの場合は、怒られた状況→見返したいというやる気
Bさんの場合は、怒られた状況→自分はダメな人間という自罰

同じ怒られたという状況でも心の捉え方が違えば、その後に生まれてくる感情も当然違ってきます。

もちろんその人自身の性格の影響もありますが、性格や心の捉え方は生まれた時から決まっているものではなく、自分の育ってきた環境や周囲の人間との関わり方で徐々に形成されていくものなのです。

特に家族や家庭による影響はとても大きいものです。

小さい頃に親にずっと怒られてきて、「あなたはいつもダメだよね」「いつも失敗ばかりじゃない」というような言葉を浴び続けてしまってくると、その人は無意識のうちに何かあると自分を必要以上に責め続けてしまう心の癖がついてしまったりします。

しかし、心の癖は書き換えることができます。

人との関わり方や環境で性格や心の捉え方が形成されていったということは、これからの人との関わり方や環境次第でそれを変えていくことが可能なのです。

まずは、カウンセリングで自分の心の癖に気づくこと。
これが非常に大きな一歩です。

心の癖は無意識なことが多く、自分で気づいていないことがとても多いです。

私自身もそうでした。
カウンセリングを受けて、はじめて自分の知らなかった心の癖、考え方の癖に気づくことができたからこそ、うつ病を克服することができました。

そして、自分の心の癖に気づいて受け止めた上で、これからの人との関わり方や環境次第で心の癖を書き換えることは十分可能なのです。

もちろん長い時間をかけて心に染みついてしまっていることなので、今日から!明日から!というようにすぐに書き換えられるものではありません。

しかし、まず自分の心の癖に気づいて、向き合っていくことで、そこから少しずつ変わり始めます。

抗うつ薬などを服薬することによってうつ病の症状は良くなるかもしれません。

しかし、それはあくまで一時的なもので、その場しのぎにすぎません。

薬によって症状をコントロールできるようになっても、また自分がうつ病になるきっかけとなった出来事と同じような状況に遭遇してしまったら同じことを繰り返してしまう可能性は非常に高いです。

うつ病と上手く付き合っていくのではなく”克服”したいのであれば、うつ病になってしまった自分の心の癖を書き換えていく必要があります。

もしかしたら、中には自分の力だけで、もしくはカウンセリング以外の方法で心の癖を書き換えていくことができる方もいるかもしれません。

きっかけや方法は人それぞれだと思いますが、私の場合はカウンセリングでした。

もちろん相談するカウンセラーとの相性やカウンセリングを受ける姿勢などによって、その効果は変わってくると思いますが、それはまた次回の記事でお伝えしようと思います。

私がカウンセリングを受けて変化したこと

では次に、私自身がカウンセリングで何がどう変わっていったのか?という体験談を書いていこうと思います。

私はカウンセリングを通して、自分のどんな心の癖がうつ病を引き起こしてしまった原因であったのかということに気付くことができました。

それは、

・完璧主義
・承認欲求

という心の癖でした。

完璧主義や承認欲求の高さは意外と自分自身で自覚しやすい心の癖かと思われる方もいるかもしれませんが、私自身はそもそも完璧主義や承認欲求への捉え方・認識がズレていたので全くもって自覚がありませんでした。

私はカウンセリングを受ける前まで「完璧主義」という性格は、

・整理整頓をきっちりする
・テーブルの上にテレビのリモコンをきれいに並べて置く
・埃一つ残さずに掃除をする

などの「物」や「行動」に対しての完璧主義という認識しかありませんでした。
ですので、そうではない私は完璧主義な性格ではないと思い込んでいました。

しかし、カウンセリングを通して、この完璧主義は行動という形だけでなく心にも現れるということに初めて気付かされました。

特に、

・失敗してはならない
・人から認められなければならない
・真面目でいなければならない
・絶対に遅刻をしてはならない

というように、物事を考える時に全て「~しなければならない」「~せざるを得ない」といった思い込みが非常に強い考え方をする癖がありました。

こういった完璧主義な考え方が強いと、「失敗した自分に価値はない」「人から評価されなければ自分に価値はない」というように上手くいかなかった際に自分を必要以上に責めてしまう傾向があります。

こういったことが長い期間をかけて蓄積されていくことで、うつ病になってしまうことがあります。
まさに私自身がそうでした。

さらに厄介なことは、完璧主義な人は相手にもそれを求めてしまうということです。

・自分はいつも仕事を上手くやっているのに!
・自分はいつも真面目にやっているのに!
・自分はルールをちゃんと守っているのに!
・自分はいつも時間通りに来ているのに!

自分がやっているのに、周りに上手くできない人間がいると無性にイライラしてしまう。

私も電車に乗車した時に、椅子を陣取っている人、降りる人がいるのにドアの近くから動こうとしない人、堂々と化粧をしている人など周りの迷惑を考えないような人を見かけると、無性にイライラしてしまっていました。

注意する勇気なんてありませんでしたが、その人にしか目がいかなくなって電車に乗っている間ずっとイライラしているということも良くありました。

「マナーを守らなければ”ならない”」という自分の完璧主義な考え方を無意識に何の関わりもないその人たちに求めてしまっていたのです。

今はそういう人達に遭遇しても、もちろん目にはつきますが、「あの人にとっては当たり前なことなんだなー」と軽く受け流せるようにはなりました。

そして、そういった完璧主義な考え方は承認欲求の強さからきていることもカウンセリングを通して気づくことができました。

カウンセリングを受ける前までの自分の中での「承認欲求」に対する認識は”目立ちがり屋”。

人前で何か面白いことをして、人の気を引こうとする。
大勢の人前に出ることが好き。

そういう人達が承認欲求の強い人だと思い込んでいました。
しかし、カウンセリングを通して、その思い込みも覆されました。

私は昔から以下のようなことがすごく苦手でした。

・人に意見や考えを伝えること
・悩みを相談すること
・約束や頼みを断ること

これは全部、人から嫌われたくない、人から認められたいという承認欲求からきているものだと気づくことができました。

・相手から否定されたくないから自分の意見を伝えない
・相手から情けないと思われたくないから自分の弱さを見せない
・相手からの評価を下げたくないから約束や頼みを断れない

全部相手に「どう思われるか?」ということが前提にありました。

自分が「どうしたいか?」ではなく、相手に「どう思われるか?」が先にきてしまう人は、私のようにうつ病になる危険性があります。

「自分がどうしたいか?」という自分の人生ではなく、「相手がどう思うか?」という他人の人生が軸となってしまいます。

そういう考え方で生きていくことは、無意識のうちにストレスを溜め込んでいってしまうのです。

しかし、自分の行動に対して相手が「どう感じるか?」「どう思うか?」は、自分が決められることではありません。

相手が決めることです。

同じ行動をしたからといって、相手によって受け入れてくれる人もいれば受け入れてくれない人もいます。

相手がどう感じるか?どう思うか?は、自分ではコントロールできないのです。

私はそこに気づけたからこそ、少しずつ人に自分の意見を伝えることや弱さを出すこと、そして断ることの勇気が出てきました。

私はカウンセリングを通して、今まで自覚のなかった心の癖に気づけて向き合うことができたから、少しずつ変わることができました。

そしてうつ病を克服することができました。

自分自身と向き合うことは非常に辛いことです。
自分の弱さを認めて受け入れることは非常に辛いことです。

しかし、それができる人こそが本当に心が強い人だと私は思います。

そして、自分を変えることのできることのできる人だと強く思います

カウンセラーが必要な理由

人は自分のフィルターを通してでしか自分自身を見つめることはできません。
主観的にしか向き合うことができません。

自分の世界でしか自分を見れないため、時には無意識に「自分には当てはまらない」「自分は違う」というように自分に都合の良いように解釈してしまっていることがあります。

そうなると、自分の心の癖が非常に見えづらい状態となってしまうのです。

本来、その人自身が向き合わなくてはならない心の癖も、自分のフィルターを通すと見過ごしてしまっている可能性があるのです。

私も昔はよく「自分の探しの旅」と題して、全国各地に一人旅に行ったことがあります。

当時は自分のことが嫌いで、自分自身を変えたくて。

その一人旅自体は非常に楽しかったのですが、その旅を通して新しい自分が見つかったかと言うと…見つかったことはありませんでした。

どこ(場所)で向き合っても同じです。
どう(方法)向き合うかが重要なのです。

だからこそ、カウンセリングなどでカウンセラーを鏡にして客観的な視点から自分と向き合うことは、心の癖に気づくことにおいて非常に重要なことです。

カウンセラーはあなた自身を映し出すか鏡のような存在です。
あなたが一人では気づけなかった心の癖も、カウンセラーとの対話を通して映し出されるかもしれません。

ぜひ悩んでいる方、もしくは身近に悩み苦しんでいる方がいれば、その状況を克服する方法の一つとしてカウンセリングも検討してみてはいかがでしょうか。


次回のうつ病体験記でも、カウンセリングに関する内容をお届けいたします。

カウンセリングを受けたからといえ必ずしも効果が出るとは言い切れません。
私も最初に通っていたカウンセリングでは自分の心の癖を書き換えることができませんでした。

もちろんカウンセラーとの相性はありますが、私自身がカウンセリングを通して大きく変わることのできた要因・重要なことについて「カウンセリングで自分を変えるために大切なこと」というタイトルで書いていこうと思います。

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