【うつ病体験記④】実体験から語る病院選びの大切さ

うつ病体験記

シリーズで掲載している「うつ病体験記」。

第4回となる今回は、うつ病を治療する第一歩となる病院への通院について。
どういう病院へ行けばいいの?という話から、私が実際に通院した経緯、そして実体験から感じた病院選びの大切さについて書いていこうと思います。

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うつ病と思ったらどういう病院へ行けばいいの?

うつ病を専門に診ているのは、

・精神科
・神経科
・心療内科

などで、総合病院、個人経営のクリニックなどさまざまな医療機関にあります 。

では、精神科と心療内科は何が違うのでしょうか?

精神科と心療内科 同じ診断基準を用いるため、対象となる症状には重複する部分も多くあります。基本的な治療に大きな差異はなく、薬物療法や精神療法を中心として治療を行います。

精神科は、 統合失調症やうつ病、双極性障害などの 精神疾患を専門に扱う科です。
また、その他にも神経症性障害や発達障害、認知症、アルコールや薬物の依存症などを含め、基本的には全ての精神疾患の治療を行っています

心療内科は、心理的要因から身体症状があらわれる「心身症」の治療を主な対象としています。
例えば内科的には問題はないのに、ストレスによって胃潰瘍になったり、頭痛や腹痛が引き起こされる場合は心療内科への受診対象となると思われます。
ただ、厳密に心身症だけを治療するというわけではなく、軽度のうつ病、パニック障害、不安障害といった精神疾患にも対応できるところが多くあります。

ちなみに私は「心療内科」へ通院していました。

当時は、自分で病院を探して一人で病院に行ける状態ではなかったので、親が近くの医療機関を探してくれました。

ですので、「心療内科に行けばいいのか?精神科に行けばいいのか?」というところまで考えて受診していなかったのは正直なところです。

これから病院へ通院することを考えている方は、まずはお近くの専門の医療機関を受診してみることをおすすめいたします。

医療機関への受診は大きな第一歩!

精神科や心療内科といった病院に行くことに大きな抵抗がある方もいるかと思います。

「病院に行くなんて情けない」
「自分はうつ病なんかじゃない」

私もその一人でした。

親はいち早く私の変化を感じ取ってくれて、「病院に行くことも一つの手段だよ」と心療内科のある病院を調べてくれました。

しかし私は「この症状は一時的なもの、時間が経過すれば絶対に良くなるはず」と意地をはって、誰にも頼らず我慢し続けました。

しかし、我慢すればするほど症状はさらに悪化していく一方で、とうとう自分の気持ちではどうにもならないほどまで症状が悪化して日常生活にも影響を及ぼすまでになってしまいました。

その状態になって、ようやく親に頼って病院に行くことができたのです。

そして、病院に行ったことから少しずつ変わり始めてきました。

うつ病をはじめとする精神疾患の患者数は2014年に392万人を記録し、日本国民の4人に1人以上が経験しているというデータが出ていますが、何かしらの症状が出ているにもかかわらず病院に受診していないという方も非常に多くいることは予想できます。

そのような方たちの中には、おそらく当初の私のように誰にも頼らず我慢しているかたも大勢いるのではないでしょうか。

もちろん中には、自分で病院を探して、自分一人で病院に行ける方もいるでしょう。
本当に勇気ある行動だと思います。

でも私のようにうつ病であることを認めたくなかったり、弱さを見せたくないといったプライドが邪魔をして症状をどんどん悪化させている人も絶対にいるはずです。

だからこそ、うつ病の治療には周りのサポートが欠かせないのです。

家族でも友人でも、その方の身近な人が変化をいち早く感じ取ってあげて、病院に受診するという選択肢を与えてあげること。

強制するのではなく「苦しいのであれば病院に行くことも一つの方法だよ」と選択肢を与えてあげることが大切です。

「あなたは普通の状態じゃないんだから病院にいかなくちゃダメだよ」なんて言われたら、本人は絶対に病院に行きません。
そこは十分に注意しなければならないことです。

病院に行くことは恥ずかしいことではありません。
病院に行くことはうつ病を克服するためにとった勇気ある決断です。

病院選びの大切さ

では、数ある専門の医療機関からどの病院を選べはいいのでしょうか。

私はもちろん、病院を探してくれた親も初めての経験だったので、どの医療機関に受診すればいいのか分からなかったと思います。

今の時代はインターネットで病院のある程度の情報は分かりますが、医師や治療方法に関しては実際に受診してみないと正直分かりません。

私は最初、自宅から比較的近い場所にあった心療内科のあるクリニックを受診しました。

しかし、私はこのクリニックに一度しか通院していません。

私は初めての心療内科の通院で心に大きな傷を負ってしまいました…。

かなり悪化してしまっていた症状に加えて、初めての心療内科への受診で、私の心は不安と緊張に押しつぶされそうな状態でした。

受診して、まずは自分の現在の状態を細かくアンケート用紙に記入。
そしていざ診察室の中へ。

初めて対面したその先生は先程記入した用紙を見ながら、いくつか簡単な質問をして私にこう言いました。

「うん、うつ病だね。」
「仕事休むのなら診断書書くけど、どうする?」

私はその言葉にかなりショックを受けました。

確かにその医師からしたら私は数多くの患者の中の一人で、うつ病の患者は数多く診られているかと思います。

でも私は、病院に行くまでにいろいろなことを考えて悩んで、何とか救いの手を差し伸べてもらおうと思って勇気を出して診察に行きました。

うつ病と診断されてしまったこともショックでしたが、それ以上に一人の人間としてではなくうつ病という病気としか見られてないんじゃないかということにかなりショックを受けました。

正直、その一言でその医師に対して不信感でいっぱいになりました。
仕事を休むことにも抵抗のあった私は診断書も書いてもらわずに、薬だけ処方されて帰りました。

そして、そのクリニックには二度と行きませんでした。

それだけでなく 「結局、病院なんてどこもそんなところなんだろう…」 と病院に対する信頼感も一気に崩れ落ちました。

ただ処方された薬の効果は目を見張るもので、「え?これもう治ったんじゃない?」と思えるほど気持ちが前向きになりました。

しかし、「薬を飲んだ時」と「薬の効果が切れた時」のギャップや副作用に苦しまされました。
(※詳しくは前回の記事「うつ病って薬で治るの?」で書いています。

実は、そこにも落とし穴があったのです。

そして、その後は親が再度病院をいろいろと調べてくれて、口コミなどでも「評判がいい」と言われていた別のクリニックに通うことになりました。

自宅から約1時間半というなかなか遠い場所にあったクリニックでしたが、通い始めて本当に病院を変えて良かったと心から思えました。

まず主治医の先生の対応

多くの患者さんが来院されていて忙しいにも関わらず、私の状態や現状の生活など親身になって聞いてくれました。

もちろん限られた時間ではありましたが、うつ病という病気ではなく一人の人間として心を汲み取ってくれたことがとても嬉しく、とても安心できました。

そして治療に関しても。

初めて受診した時に、最初の病院で処方された薬とその量を伝えたところ、

「え?こんなに薬の量飲んでいるの!?」
「眠気とかすごかったでしょ?とりあえず薬の量は減らすね」

と、すぐに私の症状に合わせて薬の量をコントロールしてくれました。

薬の量をコントロールしてもらった結果、薬を飲んだ時と薬の効果が切れた時の気分のギャップが少なくなり、副作用としてかなり強く表れていた眠気もほとんど改善されました。

特に気分の落差によって情緒もかなり不安定になっていたので、量を減らしたことにより一時的な薬の効果は減ったとはいえ、それが改善されたことが気持ちの安定に繋がりました。

私はうつ病に対する薬の知識はありませんから、最初に処方された薬の量が普通だと思っていました。
薬の効果や副作用もこれが普通ではなかったと初めてそこで知ることができました。

もちろん、医師によってうつ病の治療に対する考え方は異なりますので、一概に最初の病院の先生を責めることはできませんが…。

おそらく、あのまま最初の薬の量を飲み続けていたら、薬から抜け出せなくなるほど依存性が高まっていた可能性は大いに考えられます。
そう考えるとゾッとします。

新しく主治医となってくれた先生は、おそらく”薬だけ”ではうつ病は治らないという考えがあり、カウンセリングを受けることも進めてくれました。

最初は一人で電車に乗ることもできなかったり、電車内に人が多くて気分が悪くなって途中で降りてしまったりすることもあり、約1時間半という距離を通院するのも大変な状況でした。

しかし、主治医の先生が親身になって話を聴いてくれたり、症状の変化に合わせて少しずつ薬の量をコントロールして減らしていってくれたおかげで、症状も落ち着いていくようになりました。

実際に病院に行ってみないと、病院や主治医の先生がどんな感じなのか分かりません。

もしかしたら私の場合のように合わないことはあるかもしれません。

しかし、必ず最初に行った病院にずっと通院し続けなければならないという決まりはありません。

もし「何か違うな」「自分には合わないな」ということがあれば、思い切って病院を変える選択肢を持ってもいいのかもしれません。

ただ「この先生は薬をあまり出してくれないから嫌だ」「もっとたくさん薬を出してくれる病院に変えよう」という考え方は非常に危険です。

前回の記事でも述べましたが、”薬だけ”ではうつ病は治りません。
そこだけは履き違えないようにしてください。

本当に良い医師とはうつ病を”薬だけで”治そうとしない先生だと私は思います。
薬はうつ病を治す”手段”ではなく、あくまで治す”きっかけ”に過ぎません。

あなた、もしくはあなたの身近でうつで苦しんでいる方が「本当に信頼できる病院・先生」に巡り合えるように祈っております。


次回のうつ病体験記では、ぜひとも自分の身近な人がうつ病などで苦しんでいる方に読んでもらいたい内容をお届けします。
私がうつ病を克服できたのは自分一人の力ではありません。
次回は「うつ病を克服するには周囲のサポートが必要不可欠」というタイトルで家族や友人など身近な人の関わり方について書いていきます。

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